- 第1章 ―

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 まぁ、族云々に関しては、翡翠も他人事ではない。だって、翡翠はヘヴンの幹部なのだから。  関東一帯で、一、二を争うヘヴン。ノワールより遥かに大規模なチームだ。  『ノワール-漆黒-』。ヘヴンより後に作られたチームだが、規模は大きいものの………。  その実。烏合の衆が集まっただけで、統率が行き届いておらず、ヘヴンと対等にやりあえるチームではないけれど……………。 翡翠 (何で。ノワールの副総長が、生徒会副会長なんかやってるわけ?)  無論、それは帝が優秀であればこそなんだろうが。御影に編入したことを、翡翠は全力で後悔したくなってきた。  そして。それよりも、気になるのは先程の帝が見せた表情だった。表面上は笑顔だったけれど目が笑っておらず、明らさまに〝不自然な作り笑顔〟だったのだ。  あそこまで不自然になるくらいなら、普通にしていた方がマシだ。初対面の人間に対して、愛想良く…と言うのはわかるけど〝作り笑顔〟だと看破されるくらいなら、やらない方がいい。  翡翠はヘヴンのスイとして、帝のを目にしたことがあった。
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