- 第3章 -

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 翡翠自身『護身術』として古武道を習得しているし、ヘヴンの仲間に空手の有段者がいる。  そんなことを考えてから、時計を見る。まだ登校するには早い時間だけど、授業の前に職員室に行かねばならないので、歯を磨き身支度を整えて、部屋を出てカードキーでロックを掛けた。  本来、御影学院は通う生徒がセレブばかり故、セキュリティーは万全で寮室の扉は全て、オートロックになっていた。  けれど、翡翠の転入は季節外れで、おまけにGW中だったので、まだセキュリティーが整っていなかったのだ。  まぁ。御影学院の敷地内に『部外者』が入れるわけがないので、然程(さほど)問題はないだろう。(カードキーで、ロックは掛けられるし……) -御影学院 通学路-  御影の校舎は、寮から歩いて十分足らずである。まだ、早い時間であるが、生徒の姿もチラホラ見える。日直などであろうか?  それに、登校中の生徒がチラチラと翡翠を見ている。『家柄』と『容姿』が重要視される御影の校風故、生徒・教員問わず美形率がバカ高く、可もなく不可もない平凡顔の生徒は、ほぼ空気扱いだ。
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