- 序章 始まり ー

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-発端は母からの一通の手紙だった。母は海外赴任の父の所へ、様子を見に行った………そう、それだけのはずだったのに………。 『翡翠へ ごめんね~。ホントは直ぐに帰るつもりだったんだけど、お父さんと離れるのが辛くなっちゃって。お父さんも、こっちの『支社長』に昇進しちゃったし~? という事で、お母さんもこっちに移住することにしたから!今住んでるマンション(億ションだけど)は今月いっぱいで引き払うから、翡翠は来月から水晶(みかげ)君の学校に編入してね! 全寮制の男子校で手続きもしてあるし、ヨロシクね~♪          お母さんより かしこ☆』 翡翠 「………って『かしこ☆』じゃねえよッ!! 何、考えてやがんだ、あの女は~ッ?」  母親に対する言葉としては、どうなのだろうか?しかし、翡翠の言葉も無理からぬこと。  だって。今は四月下旬。つまり、翡翠は近場の公立高校に入学したばかりだ。『季節外れ』もいいとこだ。    -これでわけがない-  これでは、何のために〝平凡系優等生〟の変装をしているのかわからない。
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