- 第3章 -

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 と言えど。特に〝教職〟を目指しているわけでもない翡翠が、気を揉んだところでどうにもならないが。  せめて、普通に〝先生〟と呼ぶ気になる人だったらいいと思う。御影は男子校だから、教師も男性のみであるが……………。 翡翠 (………取り敢えず、担任が男の先生ってのは、ありがたいかも。まぁ、男子校に女性教師はもんな。)  特に『ゲイ』ではなく、一応『ノーマル』な翡翠だが女性は苦手だ。年齢に関係なく、総じて苦手なのだ。  初恋の相手は女性だったし、幼馴染みも(腐)女子だったし、姉もいるけれど苦手なものは苦手だ。  恋人であった『銀色の龍神』は、間違いなく男だったけれど。でも、躰の関係はなかったし、彼以外の男になど興味もない。ましてや恋愛関係になるなんて絶対に無理だ。 -パンフレットを見て、職員室の位置を確認する。マンモス校並みの無駄に広い校舎であるが、職員室は二階に位置するようだ。 翡翠 (あ、階段見っけ。にしてもホントに無駄に広いよ、水晶さん………。)  心の中だけで、そう呟いた…………………
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