- 第3章 -

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-御影学院 校舎内(二階) 廊下- 翡翠 「~~~もう!何なんだよ、このガッコはっ?!」  只今、大絶賛迷子中の翡翠。先程から行けども行けども、職員室など見当たらず、徘徊するばかりだった。  多数の学科があり、生徒数が多いならともかく。数棟からなる校舎が渡り廊下で繋がっているとは言え、こんなに広い校舎が必要だろうか。  明らかに使っていない、これからも(多分)使う予定のない、空き教室ばかりだ。 翡翠 (……無駄だ。無駄過ぎるよ、水晶さん……)  ここにはいない水晶に、思わず抗議したくなった。校内に見取り図がないから、パンフレットを見ながら進んでいたはずなのに、転校初日に校舎内で『遭難(そして、その所為で遅刻)』とか、洒落にならない。  -どうしよう。一体、どうしたらいい?-  いい解決策など見つからぬまま、混乱している翡翠の耳に〝天の助け〟にも等しい声が聞こえた。 ?? 「………君、こんなところで何してるの?」  翡翠は掛けられた声に振り向くと、すぐ傍の教室から出てきたらしい、不思議そうな表情の生徒がいた。
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