- 第3章 -

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 けれど。黒のYシャツの胸元ははだけているし、ダークレッドのスーツでノーネクタイ。一昔前の某ホストゲームの『No.1ホスト 〇崎 〇夜』のような出で立ちである。  人を見た目で判断するのを厭う翡翠だが、この目の前の男の、教員らしからぬ服装は如何なものだろうか、と思わざるを得ない。  渚もカジュアルだが、それでいてフォーマルな感じであったし、彼は寮監なので然して問題はないのだけれど………。 翡翠 (………あ、成る程。これが彼女の言っていた『王道ホスト教師』ってやつなのか。)  幼馴染みに、御影学院に転入することを話したら、彼女は御影について知っていたらしく『王道ktkrーーーーーッッ』と奇声を上げ、発狂していたのを思い出した。  その後『メールでもいいから近況報告とかkwskッ』と、妙に目を輝かせ、はぁはぁと息が荒くなっていた。  彼女は『腐女子』と言う人種らしく、王道学園と言うものについて、彼女に数時間かけて延々と(ものっそい熱烈に)語られたのだ。 -そんな彼女に、翡翠が『ドン引き』したの  は言うまでもない-  そんなわけで、翡翠は腐った知識は『腐男子』並みに持っているのである。
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