- 第3章 -

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ホスト教師 「ん~?どうした、黙ったままで。俺に惚れたか?悪いなぁ、俺コドモにゃ興味ねーんだわ。」 翡翠 「いえ。そんな気、全く・全然・ちっとも・欠片ほども思ってませんので、ご安心を。」  自分の容姿に、それなりの自負があるのだろう。からかうように言った『ホスト教師』に翡翠はキッパリと否定した。  すると、翡翠の言葉が意外だったのか。一瞬、目を丸くしたかと思うと、声を立てて笑った。 ホスト教師 「はははっ、いや、悪い。見た目に反して、 男らしいんだな。 俺は『伏見(ふしみ) (かおる)』だ、1ーSの担任で、担当教科は現代社会科だ。まぁ、これからヨロシクな。」  軽くはあるが、悪い人間ではないらしい伏見。フレンドリーと言うか、フランクと言うか、親しみやすい人柄なのだろう。  およそ教員らしからぬ人物だが、この学院にはこそ必要なのかもしれない。  『家柄』や『容姿』に捕らわれ、()びへつらう者しか知らぬような、世間知らずのお坊ちゃんには、こういう思い通りにならない自由な人間がいる、と言うことを教えなければいけない。
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