1431人が本棚に入れています
本棚に追加
日本でも有数のコングロマリット、と名高い『九鬼グループ』。翡翠も一応は、安斎財閥の一員と言う扱いなので、話はよく聞く。
まぁ、瑪瑙が当主を継がなかったので、翡翠もパーティー等に出たことはないから、勿論、面識はない。
夏樹
「違くて。いるのは三男で、ここの二年の『九鬼 柘榴』先輩。
名実共に〝御影の狼〟なんて言われてる一匹狼の不良。」
翡翠
「…ちょっと待て。じゃあ、一匹狼なんて言われんのが、二人もいるわけ?」
一匹狼が二人もいたら、一匹狼にならないのではなかろうか?いや。まず、それ以前に、ややこしいことこの上ない。
夏樹
「九鬼先輩も、スッゴい美形で親衛隊持ちなんだけど………。神出鬼没で学院内や寮内でも、殆ど見掛けないんだよね。俺も実際は見たことも逢ったこともないんだ。」
-〝見た〟ことも〝逢った〟こともないのに
何で、そんなに詳しいんですか?夏樹サン-
翡翠は、そう思ったけど聞かなかった。先日の副会長との一件もあるので、何事も考えてから口にするように、と心掛けるようになったからであった。
最初のコメントを投稿しよう!