- 第3章 -

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 この時の翡翠の考え方は、やや楽観的過ぎた、と言わざるを得ない。神出鬼没と言うのなら、何時(いつ)・何処で逢うかわからないと言うことだったのだ。 -人と人の出逢いは『必然』だ。だって、そ  れらは全て『巡り合わせ』なのだから-  それが、ただ〝通り過ぎてゆくだけの存在〟か〝深く関わってゆく存在〟であるかの違いだけ………。  翡翠と九鬼 柘榴の場合は、幸か不幸か後者であったのだ。そして、九鬼 柘榴の容姿が〝かの者に瓜二つ〟であることも………。 -逆らうことなど出来ない『必然』を、人は  しばしば、『運命』と呼ぶ-
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