零の憂鬱

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・・・・ 外の空気を吸って来る、と言ったものの本当に外に出る気は零はなかった。 図書室に入ると、一番奥の本棚に挟まれた椅子へと腰掛ける。 「零さん、来てくれたんですね。」 零の前に小柄な男の子が姿を見せる。 「おい、書記。お前は書記なのにどうして生徒会室に来ない」 「ちゃんと名前で呼んでくださいよぉ。それと、生徒会室に行かないのは、行く必要がないからです。」 「いつ見ても童顔だよな。」 「え、今それ言います!?何気に気にしてるんですよぉ。」 いつも女に囲まれてキャーカワイイーとか言われて満更でもない顔をしていることを零は知っている。 イマイチ掴み所のわからない奴だ。 「名前、、、あぐろ、だったか?」 「そう、安黒、です。 えーと、早速定期報告ですが、今月は我々の管轄エリアでは、特に異常はないです。 しかし、気づいてらっしゃると思いますが、死亡フラグ事件、順番でいくと次は私達が狙われる番です。くれぐれも気をつけて下さい。」 「言われなくとも」 「誰か来ました。この話はまた今度で。」 そう安黒の声が聞こえたかと思うと零の前から忽然と姿を消した。 全く、逃げ足の早い奴だ。
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