初めての夜

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彼女に告白されて始まった日から、 毎日のように学校帰りに一緒に帰ったり、デートしたりしていたら、 気づいたら、俺は、完全に彼女の魅力にハマっていた。 「ーーーすごい好きだよ。いつの間にか、大好きになってた。」 彼女の瞳を見たら、つい口走ってしまった。 今まで、好きだの、愛だの、恋だの、 他人の恋愛にはあざ笑ってた俺が、 初めて恋した相手に、 初めて、自分の感情を伝えた。 そしたら、抑えきれなくなって、 自然と彼女の唇に、顔を近づけてキスをしていた。 彼女の肩に手を触れて、唇が重なると、びくっと身体が固まった彼女。 彼女の表情が気になって、 一度離して彼女の瞳を覗き込む。 俺を好きな気持ちは、じゅうぶん分かっている。 だけど、触れることを拒絶されないかって、今更だけど不安になって、 「いい?」って聞くと、 「うん…。」 囁くほどの小さい返事をして、彼女も緊張してるんだって伝わってきた。 唇の感触を確かめるように、また彼女の柔らかい唇を含んでキスをした。 初めてのキスは、そんなキスだった…。 一度キスを許された俺は、それ以来、何度も彼女とキスをした。 公園のベンチ、帰る電車を待つ間の別れ際、誰もいないことを確認しては、彼女の唇にキスをした。
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