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その後も、何度かデートを繰り返した。
デート帰り、駅近くまで見送りにきたところで、
やっぱりまだ帰したくない気持ちになった俺は、
「次の電車まで、そこで話そう。」
そう言って、彼女を駅から少しそれた場所にあるベンチに誘導して座らせた。
電車が止まった音がして、改札を出てきた人混みが遠くで見えたが、みんな大通りへ向かって帰路を歩いていく。
街頭の明かりだけの程よい証明と、月明かりが照らされていて、
誰もいなくなったことを確認すると、彼女の唇に口づけした。
唇に触れるようなキスをして、
次第に唇に吸い付くようなキスをすると、
彼女も俺の唇に吸い付いてきた。
…ッ…チュパ…
唇の形をなぞるように舐めると、少しの隙間を見つけて、彼女の唇の奥へと、舌先を押し進める。
見つけた彼女の舌に俺の舌も絡ませて、
吐息と唾液が漏れるほどに、熱く、激しく、絡む舌先。
二人の唾液が絡み合うと、
彼女の舌の動きに、痺れるように身体が反応する。
俺の下半身に血流が集中して、ズボンの中で痛いくらいに主張し始める。
「好きだよ。」
って言うことも、
彼女の前なら素直に言えた。
彼女の頬に手を添えると、彼女も熱を帯びていた。
キスするたびに、身体がそれ以上を求めるようになっていたが、
純粋に、
「一緒にいられるだけで幸せ」
っていってくれる彼女に、
俺は、これ以上、求めて、触れていいものか、
好きな子を前にして、かっこ悪くも臆病になる。
正直、俺も男だし、
好きな子の身体に触れられないなんて、我慢の限界なんだけど…。
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