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「冬李さん?」
ただ1つ言えることは、この笑顔に癒されてる。
ということは、だ…
あぁ、そっか…
「…つぐのことスキなのか」
「え?まだ寝ぼけてます?」
自覚して無意識にボソッとつぶやいた言葉を、いつの間にか目の前にいた本人に聞かれて。
キョトンとしているその表情から察するに、冗談だとでも思われているようだ。
長いつきあいの中で、恋愛系の冗談は言ったことがないハズだけど。
さて、ホンキなんだって言うことは容易いけど。
そうなると月海のことだから、気にして仕事にならなくなるかもしれない。
ここまで築いてきた関係が壊れるくらいなら、ここは冗談にしておこう。
だからって、いいオトナだからと気づいた想いを隠すなんてことはしないけれど。
月海の気づくか気づかないか程度で小出しに。
藍河にはぜったい気づかせない。
アイツ、騒ぐから。
「あー、ちょっと昼寝しすぎたかも」
「ヘタに寝るとしんどいですもんね」
「次からは起こしてもらえるかな」
「今日も起こしましたよ?特に藍河が、ですけど」
あー、だから無意識に起きなかったのか。
起きた瞬間からうるさい藍河の相手なんかしたくなくて。
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