clumsy.7

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「つぐ、あとで話があるんだけど」 「あ、ハイ、いいですよ~」 ほどよい時間に来たのに月海はまだいろいろ作っていて、ヒマだから亜生くんの相手をするしかやることがなくて。 楽しそうに何かを作り続けている月海にそう言うけど、返事がカルい。 これは、聞いてないな。 「亜生~、テーブルの上片づけて」 「はーい」 「何してたの?」 「しゅくだい」 俺、ギリギリまでやらないタイプだったから、亜生くんってスゴイと思う。 そこはたぶん月海に似てるんだろうな。 「そっか、でもこれからご飯よ」 「うん、おへやもっていく」 何から何まで大人並みにテキパキと動くのは、月海の教育の賜物? たまに思うんだよな。 月海は1人だから、亜生くんがイヤな思いをしないように気を張っていることを。 「ごめんなさい冬李さん、遅くなって。あと、亜生の宿題見てもらってありがとうございます」 「イヤ、手伝えることって他にないから」 ホントになくて、ただ見てただけ。 「私じゃゆっくり見てあげられないんで、助かりました」 わからないけど、父親ってこんな感じ? 勝手にこんなこと思っちゃダメか。
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