243人が本棚に入れています
本棚に追加
友達とか、ほとんど家庭持ちになって、誰も独り身の相手なんかしてくれるわけもなく。
そんなことを考えると、若干焦るというか…
焦ったところで、これはタイミング的なモノだし、まずその前に相手がいない。
だけど、心の中でどこかで焦ってる。
「つぐ…俺に希望はない?」
「──え?」
亜生くんがいることも忘れてそう聞いていた。
切羽詰まってるってこういうことかと、うつむいて苦笑いを浮かべる。
すぐに我に返る辺り、自分はまだ大丈夫かと思うけれど。
「あー、ごめん、なんでもない」
亜生くんにはキョトンとされ、月海には申し訳なさそうな顔をさせてる。
ちゃんと聞こえてたみたいだ。
聞こえなくてもよかったのに。
さて、どうしようか…
「ごちそうさまでした!」
「亜生、お肉残ってるよ?」
「もう、おなかいっぱい」
お腹いっぱいと言うけれど、皿の上にはほぼ料理が残っていて。
旅行に行った時は残してなかったと思うけど。
「またおじいちゃんに何かもらったのね」
呆れる月海はソレ以上何も言わない。
どうやら、毎度のことみたいだ。
「何回も言ってるでしょう?お夕飯前に食べちゃダメだって」
ソレは口うるさく言ってるんだろう、亜生くんが話も聞かず食器を片づけてる。
慣れたこと、か。
最初のコメントを投稿しよう!