clumsy.7

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そして、そのまま部屋に入って行った。 自由だな、亜生くん。 「何か飲みますか?」 「じゃあ、コーヒーでももらおうかな」 微笑んでコーヒーを入れてくれる月海を見ていると、これが日常だったらなと思ってしまう。 「どうぞ」 「ありがとう」 受け取って考える。 さっき言ってしまったことをもう一度聞くか… 「冬李さんって、私の初恋…なんですよね」 唐突な月海の言葉に、全ての機能がストップした気がした。 まさか、そんな言葉が聞けるとは思いもよらなくて。 「──え?」 気づけば聞き返していた。 「初恋、だったんです」 コーヒーを一口飲んで苦笑い。 過去形なのはわかる。 じゃなければ結婚なんてすることはないだろうし、そんな話聞いたこともない。 「だから、冬李さんからスキって言われた時は…嬉しかった」 確かに昔スキだったヒトに言われたら、それは嬉しいけれど。 だけど、そこから先の感情が芽生えるかどうかは、また別の問題。 「なので…ハジメはあんな風に言いましたけど、ちゃんと考えました」 「え、わざわざ考えてくれてたんだ、ありがとう」 ただそれだけのことが嬉しい。 考えてくれていたんだと思うと笑みがこぼれて。
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