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「聞き捨てならないわね、誰がどこでイチャついた」
そこに食いつかなくていいのに。
「亜生の前ではやめてって言ってるの」
「あぁ、気がつかなくてすみません、家で思う存分させてもらいます」
「そんな宣言はいらない」
だから、ソレがイチャついてるんだってば。
本人達にしてみたら日常なんだろうけど。
まぁ、もういいや、幸い亜生はまだ幼くて気づいてないし。
「亜生、そろそろ帰るよ」
「あげはちゃんとあそぶ!」
最近はめったに会わないからわかるけどさ。
あげはの腕に抱きつくのはやめようよ。
なんか、雷くんの視線がめんどくさいから。
小学生に嫉妬してどうするんだろう。
「じゃあ、一緒に帰ろうか」
「うん!」
我が子ながら、単純……
ちょっとだけ将来が心配になる。
「ごめん、あげは、遠回りになるのに」
「いいのよ、亜生と会うの久しぶりだし、少しくらい遠回りしても」
めんどくさがりのあげはにここまで言わせる亜生を、なぜだかめっちゃ凝視するヒトがいて。
もちろん、雷くんだけど。
わからないでもない、言いたいことは。
なので、席を立った時に諦めろという意味も込めて、雷くんの肩をポンポンとたたいた。
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