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那央先輩…わたし
わたしは那央先輩のこと―――
「ともかちゃ~ん!那央」
「先輩~!ともか~!」
追ってきた揺れるライトとみんなの声にハッとした。
足音が近づいてきて、
「よかった!無事だったのね!」
思い切り抱きしめてくれた華奢な腕にさくらさんだと気づいた。
さくらさん…
ズキッ
「那央ったら、慌てて駆け出して行っちゃって。危ないからみんなで捜しに行こうって言ったのに。…ともかちゃん、ケガは?」
みんなが追いかけてきてくれて明かりでさくらさんの顔が見えた。
可愛くてでも優しい。
「…大丈夫…です」
「よかった。みんな心配してるから帰ろ?」
手をひかれて立ち上がったら、足首の痛みが強くなった。
ぐらっ
「ともかちゃん?」
痛い…だけど、これ以上心配かけられない。
歩かなきゃ。
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