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頭を下げた築島くんは青ざめてた。
逃げる時に顔をぶつけたのかもしれない。
わたしが足をケガしたのよりもずっと痛そうだった。
「…築島くん、どうしたの、その顔のアザ…?」
「これは…なんでもないよ。気にしないで。それより、本当にごめん!」
那央先輩がわたしを降ろして椅子に座らせてくれた。
「…涼海さん、もしかして足…」
「あ、ちょっと挫いただけで。でもわたしなら大丈夫だから」
築島くんはわたしを見て、隣に立った那央先輩を見た。
築島くんは気まずそうに下を向くと何度か小さな声で謝ってから部屋に戻って行った。
みんなもさくらさんも落ち着くとそれぞれに部屋に戻ってく。
「足、出せよ」
「でも」
「俺がこの別荘に誘ったんだ。ケガを治療するのは当たり前だろ?」
那央先輩はまだ不機嫌だった。
わたしの方を見ないまま言った。
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