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わたしが迎えに?
「あいつを迎えに行くのはともかちゃんがいい。あ、ともかちゃんの足が痛くなければだけど」
「大丈夫です、わたし行きます」
扉を開けて那央先輩のいる海辺へ歩いていくと、朝焼けの砂浜からカメラを構えてた。
「那央先輩」
声を掛けて那央先輩の隣にならんで一緒に海を見る。
何も話さなくても那央先輩と一緒に海を見ていられるだけで良かった。
「…築島がさっき来てた」
ぽつりと零れた言葉。
「俺は大人げなかった。…築島、あいついい男だな」
何がふたりの間にあったのかわからない。だけど穏やかな横顔を見てたら、今はそれだけでいいって思えた。
「海、きれいだな」
「うん」
ふたりで見る朝の海はとても清々しくてきれいで、また那央先輩とふたり来たいと思った―――
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