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「…ひっく」
好きだって気づいた。
那央先輩の一番好きな写真を抱き締めた。
さくらさんはお兄さんのお嫁さんになる人だから那央先輩にはどうにもできないんだって。
だから、那央先輩はきっと誰も好きにはならないだろうって、勝手に思い込んでた。
どこかで安心してた。
だけど…
那央先輩に好きなひとができたら―――
ヨロッ
暗幕につまづいて転んだ。
そんな時、那央先輩はわたしを軽々と起こしてくれたっけ。
『おっちょこちょいだな、ともかは』
『天然だし、そこがいいんじゃね?』
那央先輩…
ずっと憧れてた。
いつしか憧れが恋に変わってたって気づいた。
こんなにも好きになってた。
「…那央先輩、ひっく」
顔を見るだけでいい、
彼女といる那央先輩を見てもきっと笑いかけられる、
だから、
今だけは泣かせて…
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