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「…築島、くん!待って!」
立ち上がろうとしても足に力が入らない。暗闇で震えたまま立ち上がれない。
怖い…ひとりぼっち…
風の音と草木が揺れて気が狂いそう。
歩けないよ、足首をひねったみたい…
「つき…しま、くん」
怖いよ…
誰か助けて…
わたしたちが最後の組だったから誰もここを通らない。
「…ひっく」
涙がとまらない。
後から後から溢れては落ちてく。
わたし、いつもこんなドジばっかり…
転んだくらいでひねっちゃって…
悲しくて。
苦しくて。
ボロボロ涙がこぼれてく。
惨めで悔しい。
ひっく
反対側の足に力を入れて立ち上がって歩いた。
だけど歩いてはすぐにまた転んで、
ベシャッ
土の中に手をついて泥だらけになった。
両手も服も土だらけ。
もう悲しくてやるせなくて涙がとまらない―――
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