第1章

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私の手には、ゴンゾーくんのハート……。 ハートっていうかこれ、心臓だよね。 傍らには心臓を抉り取られて真っ赤な血を流し、横たわっているゴンゾーくん。 エリザベスは玄関ドアの隙間から逃げて行ってしまった。 まだ、生温かいゴンゾーくんのハート。 私が欲しかったものって、こういうことじゃないよ。 頭が混乱し、何をどうしたらいいのか解らなかった。 頭が割れるように痛くて、めまいと吐き気がこみ上げてくる。 どうしようどうしようどうしよう!! そのとき玄関の方から私を呼ぶ声が聞こえた。 「おーい、ヒメちゃん!兄貴来てる?」 あ、シンゾーくんが来ちゃった!! まずい、どうにかして誤魔化さなきゃ!! とりあえずゴンゾーくんのハートを抉り取られた部分に戻すように置いて、私はシンゾーくんの元へ向かった。
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