第1章

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「もう1つ下さい」 「不味いって言う割には、よく食うな」 「食える時に食っておくように、って、聞かされていますからね」 「良い心がけだ、ほら」 小型ヘリコプターのような無人機は、搭載しているカメラで我々を写していると思ったら、機体下部の電光掲示板に文字が映し出された。 それを私は部下が理解できるように、声を出して読む。 「封鎖地区で何をやっているのだ!? あ!!奴らがこちらに気が付いたぞ、逃げろ! 上だ! 上に向かって逃げろ!」 その警告の文字を表すように、階段の下から叫び声が聞こえ、駆け上がってくる、口の周りを血で汚した奴らの姿は、この星の人類とは似ても似つかない。 「不味い! 逃げるぞぉ――」 私は部下に声をかけ、山の上に向けて走った。
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