第1章

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「おい! 食うか?」 「何じゃい、それは?」 「アイスキャンデーって言う、人間の食い物だ」 「ほう! 貰おう。 うぉ!?冷たい」 寂れた神社の境内に、アイスキャンデーをかじる音が一頻り響く。 「美味かった! もっと食わせろ」 「それだけだ、もっと食いたいのであれば、買いに行こう」 「人間の町にか?」 「ああ。 尻尾を出すなよ」 「儂を、昨日今日生まれた子狐と一緒にするな!」 人間に化けた二匹の狐は、言い争いながら階段を下り町に向かった。
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