効かない薬

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 「ご両親、やはりコウイチ君は大病院に移しましょう。今は病気がわからないが、大病院なら設備も整っているし、何かあった時安心だ」  「はい…」  「大丈夫、寄付も結構集まっているし、費用は国が半分出してくれるそうです」  「お願いします、コウイチを…」  こうしてコウイチ君は大病院に移され、再び治療が開始された。  しかし、彼の病気は一向に良くならなかった。    遂に抗がん剤よりもはるかに高い、世界で最も高価な治療薬が投与された。  原因不明の病さえ治すという、万病の特効薬だった。  それでも、コウイチ君は快復しなかった。  「まさに難病。最早我々も万策つきたか」  「先生、コウイチ君のお見舞いにまた人が来ています」  「見舞い希望者もこうも多いとな…」  医師は辟易していた。  「今は治療に専念せねばならんのだ」  「コウイチ君のお友達だそうです」  「そうか…まあそれなら通していい」
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