メンクイ

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 俺は無類のお面マニア。  面と名の付く物なら屋台で売っているアニメキャラを象った安っぽいやつから、能楽師が舞台で使う伝統的な物、はたまたどこぞの部族が儀式で使うような怪しげな面までコレクションしている。  そして今回目をつけたのが、道ですれ違った少女が被るキツネの面。一見、どこにでもありそうな代物だが言葉では言い表せない不思議なオーラを感じた。  少女を呼び止めお面を譲って欲しいと頼み込むと「食べ物をくれたら」との事だったので、俺は近所の駄菓子屋でアイスを購入した。 「はい」 「わーっ、ありがとーっ」 「じゃあ約束通り、お面を」 「うん! 今あげるね!」  少女の手が面にかかる。 メリメリメリメリ  彼女は剥いだ。  愛らしい、少女の顔を。 「イタダキマァス」  そして頭部のキツネの面が大きく口を開き、アイスを棒ごと貪った。  俺は思わずくわえていたアイスを落とし面食らった。
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