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「ゲホッ、ゲホッ!」
重度の溺水状態だったが、能力で引き寄せている限り、肺に水が溜まって水死することはない。
酸欠でフラフラだが、大事には至らなかった。
「おら、とっとと消えろ」
男たちを見下しながら手を払う動作をした。
男は相方の肩を持ち、足早に去っていった。
「ヒツヨウイジョウにリョウミンをコウゲキするな、ペネロペサマのコケンにかかわる」
ダリオが俺を指差し、睨み付けてくる。
「あー? だったらどうしろってんだよ? 素直に殴られてろってか?」
「チガう、アイテをヨクセイするためにサイテイゲンのチカラをフルるうことはシカタない。
だが、アイテをアシゲにしバトウのコトバをアビびせるのはダメだとイっているんだ」
長く話されると、何言ってるかわかりづらいな。
「あーはいはい、次からはほどほどにしとくよ、ほどほどに」
明らかに納得していない態度で答えた。
「つぎ、ヒグヨウイジョウにボウリョクをフるうなら、ウエのモノにホウコクさせてもらうからな」
「チッ、わかったっつーの」
それを言われると何も返せない。
制圧することは気持ちがいいが、何より大切なのは女神をぶっ殺すことだ。
そのためには、少しでも強い信頼がほしい。
「さて、使っちまった分の水補給して帰るか」
「ブッシをマモるためにブッシをツカったのか?」
「うっせーよ、いちいちツッコむな」
俺とダリオは、夕日に向かって歩き始めた。
前以上にギスギスしてる気がするが、喋れるようになっただけマシか、などと思った。
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