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園内にあるレストランは小さいけれど、大きな窓からいっぱいに明るい日差しが入ってくる。 黄色い壁紙も明るく、椅子やテーブルも小さくて可愛らしかった。 「ランチプレートでいいや、俺」 「じゃあね、俺、カツカレー」 「…よくそんなもん食えるな、あんた、そんなに痩せてんのに」 「男の子なら食べなきゃ」 「あー」 「なに」 「それ、なんか前に聞いたセリフだな」 「そうだっけ」 「俺に食わせようとしてばっかりだな、あんたもお母さんも」 「痩せてんだもん」 「人のこと言えるかよ」 「潤も食べさせようとがんばってるよね」 「潤くんは、昔は泣き虫で可愛かったのに」 「泣き虫だったの?」 「本人に言うなよ。すっげぇ可愛かった」 「ええ~、見たかったな」 「子供の頃の潤くんは、天使みたいだった」 「顔綺麗だもんね」
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