あんたに抱かれてわたしは蝶になる

１２

暮れるのが早い冬の午後はすっかり西日になり、ふたりしてＪＲへと繋がるモノレールの駅のホームに立っている。

「結構楽しかったね」
「観覧車、修理中だったじゃん」
「だって乗らないって言ってたでしょ」
「乗るつもりなくても修理中だったら腹立つんだよ」
「勝手だなぁ」

「でもなんで日本の観覧車ってあんなに乗るの、高いんだ」
「入園料より高いってどうよって話だよね」
「いっぱいおみやげ買っちゃったから、俺もう金ないもん」
「また違うとこで乗ればいいじゃん」
「だから乗らないつってんじゃん」

「どっちなんだよ、もう」

二人して、笑う。