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構内に滑り込むようにやってきたモノレールに、乗り込む。 車内は学校帰りの中学生や高校生で、ほどよく混んでいた。 けれど彼らは空いている座席に座るよりも、仲間同士でドアのそばに立って話をすることを好んでいた。 「座る?」 二人分の席が空いている。 瀬尾が尋ねれば、白が頷いた。 普段あまり外に出ないせいか、少し疲れたような上気した顔をしている。 並んで座ると、座席の下からの暖房と互いの体温で体が温まってくるのがわかる。 かたん、かたんとかすかな音をたてて、モノレールが走る。 おみやげが入った紙袋を膝の上に大事そうに抱えながら、白は窓の外を眺めている。 車内はオレンジ色に染まり、白の頬も例外ではない。 かたん、かたん。 JRよりもずっと軽い走りで、モノレールはすべるように進む。 薄く開いた、白の唇。 まばたきを忘れたかのような、白の瞳。 柔らかな曲線を描く、白の頬。 白の髪が、明るく染め上げられている。 発車していくらもたたないうちに、白の頭がこくりと動いた。 すぐに体を起こすが、またいくらもしないうちにゆらゆらとしている。 「寝てていいよ」 瀬尾が言えば、眠気には勝てなかったのか、 「ん…」 逆らわずに、目を閉じた。 ゆっくりと、白の体が瀬尾によりかかる。 紙袋を押さえていた小さな手のその指が、ゆるゆると膝の上で力が抜けて開いてゆく。 心地よい重みが、瀬尾の肩にかかった。 コートの襟に顎をうずめた白の、小さな寝息。
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