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その日は母さんはお店に出る曜日で、悠希は友達とライブに行って遅くなるという。
夕飯を外ですませて行こうと瀬尾が言うと、
「あんたは何も作れないの?」
中華屋の息子のくせに、と言われてなにをぅ、と思ったのが運の尽き。
「じゃあ何が食べたいの」
そう聞けば、
「何が得意料理なのよ」
と逆に聞かれた。
得意料理なんか、あるわけない。
「一人暮らししてたんじゃなかったっけ?」
「よく知ってるね」
「撮影の合間に話してたじゃん、他のスタッフと」
「え、聞こえてたの?ゲームしてたじゃん」
「そのぐらい聞こえるよ」
「一人暮らしつっても、そんなに自炊しなかったしなぁ」
「やっぱできねえんじゃん」
「できるって!」
「じゃあ、何作ってくれんのよ」
「チャーハンとか?」
「なんで疑問形なんだよ」
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