104人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
息をのんで硬直する白の体を抱きしめ、髪に指を差し入れてより深く唇をあわせる。
驚愕の瞬間が過ぎ、我に返った白が怒って逃げようともがき出したのを、更に強く抱きしめる。
「離せっ…て」
一度離れてしまった唇を追いかけて、後頭部を手のひらで固定してまたキスをする。
「んっ…」
無茶苦茶に暴れ出した白から唇だけを離し、それでも力任せに抱きしめた体から腕をほどくことはしない。
「離せって、ば!」
必死になる白に、
「キスなんて挨拶だって言ったの、おまえだろ」
耳もとで言うと、
「こんなの、てめ、こんなの…」
その耳たぶが真っ赤になっているのが、瀬尾の視界の隅に入る。
がっちり体をホールドされたまま、白が叫んだ。
「挨拶で舌は入れねえ!」
最初のコメントを投稿しよう!