16

3/15
105人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
ここで騒いでないでとりあえず中入れば?と潤が冷たい目で見てくるので、わかったとうなづいて瀬尾が歩き出す。 「…離せよ」 瀬尾に掴まれたままの腕を引かれて、白が口をとがらせてつぶやく。 「逃げないね?」 怖い顔をした瀬尾が念を押すが、目をそらして答えない白。 「もう、逃げないよね?!」 両腕を掴んで、正面から顔をのぞき込むように瀬尾が言えば 「…逃げねえよ」 小さく答えた。 耳が、真っ赤だった。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!