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睫毛が触れ合いそうになるぐらいのところに、琥珀色の瞳がある。
何度かの瞬きのあと、ゆっくりと白が口を開いた。
「バカか、あんた」
「ひどいね」
「バカだろ」
「なんで」
「いくらかかると思ってんの」
「さあ。でも何百万円もかかるわけじゃないでしょ」
「単に俺に会うために?」
「そうだよ。そう言ってんじゃん」
「それだけのために?金も時間もかけて?」
「大事な事でしょ」
「バカだわ、やっぱり」
「あのさ」
「大バカじゃねえの、あんた」
「あのねえ」
「バーカ」
「お前のほうがバカだよ」
もう黙りなさいよその口、とほんの数センチの距離をゼロにする。
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