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「え?」
「さっき潤くん、おかしかった」
「そう?」
「あんたもおかしい」
瀬尾の方を向いた白が、優しく笑う。
「二人とも、嘘がつけない」
「二人それぞれにお母さんがいるっていう話と…」
少しだけ言い淀む。
が、まっすぐに白の目を見て、
「潤は、いますっごい辛いみたいだよ」
そう言った。
白は笑ったままの表情で、少しだけ睫毛をふせた。
「そっか…」
「うん」
「そうだよね」
「…」
「潤くんが苦しむのがわかってるのにこんな事してる俺のほうがよっぽど残酷なのに、潤くんは自分を責める」
短く溜息をつくと、
「潤くんがお風呂から上がってくる前に話しちゃおうか」
にっこり笑うと体をころりと転がして、瀬尾のすぐそばに来た。
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