玉藻様、氷菓子を食す

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「ほら、夏のニンゲンの食い物だ」 「ひゃっ! 霊気、いや冷気があるぞ!?」 「冷たい氷菓子で、暑気払いするのさ」 「何と。お主、わらわを祓うつもりか!?」 「いいから食えよ」 「むう……、ヒンヤリするのじゃ……」 「あ、バカッ。そんなに大口開けて食ったら!」 「ひたにはりふいへ、ほれなひのら~(舌に張り付いて、取れないのじゃ~)」 「落ち着いて噛み砕いて、飲み込んじまえ!」 「うぐぐ、んむんむ。ほぉ~美味しいのじゃ♪ ……うッ!」 「今度はどうした!?」 「ひ、額がキーンと痛いのじゃ……ッ。わらわを祓うつもりじゃったな、やはり!」 「ちげえよ!」 「美味しい、でも痛い。祓われとうはないが、食べたい。わらわはどうすればいいのじゃ!」 「大袈裟だな。これくらいで祓われてくれるなよ、大妖狐・玉藻前さま」 「もう一つ欲しい。奢れ」 「懲りないなぁ……」 「何か言うたか?」
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