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「……てか、爆破しなくても普通に戻って来たんだけど」
「そう?まぁ最悪戻ってなかったらヤバかったし結果オーライだよ」
よく分からない粉に塗れ、シャワーを浴びたいし今日のトレーニングは以上にした方が良さそうだ。
シャワー室に向かう最中にも、客観的に状況を見ていた妹は一人で興奮気味に話をしていた。
「双棒から針金を出してまずは鎌を封じる、その後ブーメランで首を飛ばしてしまえばかなりスピードアップに繋がるね」
「私一人で倒してるでしょうが!瑠里が爆弾で首飛ばせばいいでしょ!」
シャワーを浴びながらクレームを言い、受付で木村さんに制服を渡して帰ろうとすると、アイスコーヒーでも飲んで落ち着きなさいと勧められた。
「あの部屋で朝霧君達も今休憩してると思うし」
「……はい」
ドタバタはしたものの、何となくヒントは掴めたしこの調子で頑張ろうと部屋のドアをノックして中に入った。
「お疲れ様で……」
こちらの動きがピタっと止まると、リーダーが怪訝そうな顔でこちらを見ている。
「何でそこで固まってんだ?」
「いや、その……リーダー珍しく散髪に行ったんですか?」
いつも伸ばし放題というかワイルドな感じなのに、カットに加えてパーマもしているのか、ちょっとイマドキな雰囲気に変わっている。
目つきは鋭いままなので怖いが、明らかに雰囲気が違っていた。
「散髪?床屋じゃない、洋に教わって美容院に行って来た」
椅子に座ると妹が二人分のアイスコーヒーを持って、目の前に置いてくれたが何故か半笑いだ。
室内にはリーダーの他にポッチャリ体型に啄もいたが、原因はどうやらそれらしい。
でも特に見た目も変わりないし、不思議に思ってると待ちきれなかったのか本人が口を開いた。
「別にバーベキューを意識した訳じゃないが、俺も美顔エステして、肌ツルツルだし艶も出た気がする」
『まず痩身に行け、金あるクセに!』
心の中で速攻ツッコミを入れ、口には出さないでおいたが、どうやら男性陣は少しでも好印象を与えようと努力しているらしい。
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