バーベキュー大会

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今回の要請を受けてジッとしてる訳がないので、気分を変え見学するとヒントが貰えるかもしれない。 木村さんにリーダーがトレーニングしている部屋を教えて貰い、藁にでも(すが)る思いで期待を込め向かった。 従業員証を使って扉を開けると、リーダーだけでなく洋と啄もいて、真ん中の方で作戦会議を開いているように見える。 「ーー何あれ?」 「他の人の意見も参考に聞いてるのかな?」 洋はまだ分かるがポッチャリ体型の啄は救護班だし、面倒臭いトレーニングに参加するとは思えない。 社長の孫だし、何かいい情報でも掴んでいるかもと足音を立てずに近づいて行く。 「あっ、丁度いいタイミングで女性陣が入って来たよ」 洋がアイドル的な笑顔を見せ爽やかに迎えてくれたが、他の二名は曇った顔つきだ。 「珍しいですね、ボンレスが暗い顔してるなんて……もしかして食当たりですか?」 「誰がボンレスだ先輩に向かって……何でもねぇよ」 強がりを言ってはいるが何だかキレがないので、ツッコんで質問しようとすると妹が先手を取った。 「何でもない訳ないね、普段練習に顔を出さない人がいて、リーダーも浮かない顔なのはカマキリ相当ヤバいんですか?」 「カマキリ……?」 キョトンとする啄にピンときた様子の洋は、笑いながらトレーニングは済みバーベキューの話だと教えてくれたが、今度はこちらに疑問が浮かぶ。 「百合達は知らないだろうけど、イザリ屋の男性には一大イベントの一つで、パン工場の可愛い子と知り合いになれたり……ね」 その言葉にリーダーだけでなく、ボンレスの啄までちょっと顔を赤らめた事にイラつき、アンタは無理だろと口に出そうになるのをグッと堪える。 「今回俺は八雲さんに呼ばれて、一緒に行動するから不安みたい」 確かにウチのチームメンバーで、アイドル志望の洋は可愛い系のイケメンなので、放っておいても女の子が近づいてきそうだ。 リーダーはイケメンというより目つきがイカつい強面だし、啄に至っては豚面だし、この二人の幸先は明るくなさそうだ。
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