バーベキュー大会

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バーベキュー大会

「くっそ――っ、全く攻撃効かない!」 「大体カマキリデカすぎなんだよっ!」 トレーニングルームでカマキリの影と格闘していたが、鎌で攻撃が全部弾かれどうしても倒せない。 羽で飛ぶので妹の『かしわ餅爆弾』も照準が定まらず、爆風の巻き添いも避けないとこちらまで吹き飛ばされてしまう。 「おや期待ハズレですね、そんな事では応援に呼ばれても足手まといなだけですよ」 今回は青刺繍のヘルプにリーダーと私達姉妹に指名が入り、最後まで断るよう努力はしたが社長のひと声で行く羽目になった。 前にハッピーのディナーショーで散々な目に合っているので、ハッキリ言って気乗りはしていない。 にも関わらず、強引にトレーニングに駆り出され手強いカマキリの影と戦っていた。 「キツネ……いや社長、私達無色の新人ですし、ブルーの応援はまだ無理だと思います」 瑠里が愚痴を訴えてる間に、双棒の武器に何か工夫は出来ないかと考えていた。 「何度も言ってますが、あなた達は実力だけでいうと金刺繍で、無色のままでいる方がおかしいんです」 双棒から太い針金を出し、カマキリの手の部分に巻きつけてみたが、相手がとても大きいのに加え力もあるので、動きを止めるのがやっとだった。 「ぷぷっ、百合さんカマキリと見つめ合って、ダンスでも踊るつもりですか」 ガラス張りの上の部屋からマイクを通して笑いと共にイヤミが飛んでくる。 「あのキツネじじいムカつく、こいつの動き封してる間に何か出来ない?」 急所は多分頭なので、そこに爆弾をつけてくれたら上手くいくかもしれない。 「瑠里……何やってんの?」 かしわ餅の爆弾を細長くコネ始め、こちらはカマキリとの力合戦で一歩も動けないのに、早く攻撃しろやとイラついてくる。 「もう少しで終わるから頑張れ般若!」 「誰が般若だ、おまけにこいつ正面から見ると目が赤くてかなりキモい!」 向かい合ったまま鎌の部分を針金の武器で封じているが、一瞬でも気を抜くと攻められそうだ。 「よし、出来た」 長細くしたかしわ餅を、カマキリの『鎌』目がけて投げると満足そうに笑みを浮かべている。
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