第20章

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見慣れたスーツ姿に戻って玄関に立つカイトは、いつも以上に厳しい顔をしていたが、それがかえって凛々しい姿に見せた。 出国の日。 両側に立つ喬久と栞。 志津子は玄関で佇む3人の姿を見て、深くおじぎをした。 「いってらっしゃいませ。お気をつけて」 感情をあまり表に出さなかったが、深い慈愛を感じる人だった。 門の外にはいつもの白のプリウスが止まっていた。
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