第20章

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祖母は日本人であるのは知っているが、それにしてもこうして座敷に座ってることになんの違和感もない。 違和感と言えば、姿が少し整いすぎているいうことか。 食事をする口元も、箸を使う指先もとても繊細で優雅。 音楽もテレビの音もない座敷で、2人は時折会話を挟みながら食事をした。 聞こえるのは食器に箸が当たる音、家のきしむ音、そして奥で志津子が片づけをしている物音くらいだった。 栞は味もわからなくなるくらい、緊張していた。 どうにも困ってカイトを見ると、カイトもこちらを見ていて微笑んでいた。
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