77人が本棚に入れています
本棚に追加
祖母は日本人であるのは知っているが、それにしてもこうして座敷に座ってることになんの違和感もない。
違和感と言えば、姿が少し整いすぎているいうことか。
食事をする口元も、箸を使う指先もとても繊細で優雅。
音楽もテレビの音もない座敷で、2人は時折会話を挟みながら食事をした。
聞こえるのは食器に箸が当たる音、家のきしむ音、そして奥で志津子が片づけをしている物音くらいだった。
栞は味もわからなくなるくらい、緊張していた。
どうにも困ってカイトを見ると、カイトもこちらを見ていて微笑んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!