君が突然変わった日 (一瀬涼side)

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 朝登校した時から、なんとなく空気が違うのを感じた。  今日は朝の(正直面倒な)親衛隊の集まりもなく、ゆっくり朝準備して登校した。  確かに朝から副会長様のお姿を拝見出来るのはすごく嬉しいんだけど、実際同じ学年だし、友達に会いに来たっていう体でクラスに遊びに行くことだって出来る。  だからこうして普通に登校するほうが好きだ。  朝から少しいい気分で教室に入れば、教室の空気すら普段とは異なっていた。  俺が教室に入った途端に多くの視線がこちらに向く。注目を浴びるのはあまり好きじゃない。 「り、涼くん!」 「なに?」  向けられる視線を煩わしく思っていたら、一人のクラスメイトが話しかけてきた。親衛隊にも入っている、まあ仲のいい方のクラスメイト。 「2年生の子に聞いたんだけど……隊長の人格が変わったって本当?」 「……蓮の人格?」  二重人格だったっけ……? と考えても頭に浮かんでくるのは、いつも楽しそうに高い声出して笑ってる蓮の姿だけ。なのに意外としっかりしてるし、成績は学年トップだし。親衛隊なんか入ってなかったら、生徒会入りは確実とまで言われてる。  それに、結構評判の悪かった親衛隊の株をここまで戻してくれたのも蓮が隊長になったからで。そんな蓮の人格がどうのって、なに?
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