君が突然変わった日 (一瀬涼side)

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「蓮と1番仲が良かったって言ったら……宏実?」 「でもあの美っちゃんを最初に手なずけたのも蓮ちゃんだよね」 「でも孝志だってよく蓮と楽しそうに話してる」 「涼ちゃんだって、ちっちゃいもの同士で可愛いし、暗躍までしてあげてるじゃん」 「ちっちゃくないから」  そう、俺達は隊長なんて括りにはされてるけどそんなに仲がいいわけでもなかった。俺と孝志は別として、一個下の3人。  蓮は外部生だし、明らかに宏実と美貴は親しくなかったと思う。今だって、二人が話してるところなんて全然見ないし。  でもそんなバラバラ俺達をまとめようとしてるのが蓮だ。  人見知りが激しい美貴と最初に仲良くなったのも、初対面にはとことん愛想のない宏実を周りに溶け込ませようとしたのも、短気で気分屋で面倒臭がりの俺の機嫌を取ろうとするのも、いっつも笑顔で嫌なことも我慢しようとする孝志に気づいたのも。全部全部、蓮。  なのにそんな蓮が突然別人みたいになったって言われたら…… 「俺達……演技向けられてたってこと?」 「……涼ちゃん」 「半年近く、いや、もっと前から、ずっと」  頑張り屋で一生懸命な蓮のこと、信頼してたんだけどな。  騙されてたのかな……、俺たち。  その日の昼休みだった、緊急招集の連絡が来たのは。
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