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「どっちが本気の蓮なんだろうね」
今までみたいに、可愛く小動物みたいに微笑んでいる蓮からは、冷ややかな目とか軽蔑の目とかそういうのが想像出来ない。
でも美貴が見たって言ってるなら、やっぱり本当のことなんだろう。
「…………どうやって……接したら、いいのかな……?」
そんな美貴の問いに、誰も答えることが出来なかった。だってこんなことは前例がない。急に性格を変えただなんて。
しかも、多分本人は自覚ないけど、青樹蓮は有名人だ。高等部にいて、その名前を知らない人はいないとまで言われている。
そのまま誰も喋らないまま時間が流れて、蓮が入ってきた。全員がいることに驚いた表情すら、今までとは違っている。ああ、本当に変わってるんだ、蓮は。
それに、なかなか話し出さない。さっきから話したいことがあるのかうずうずしてるのに、たまに変な顔をしてから言葉を飲み込んでいるようだった。
……もしかして、少し気まずさでも感じてるんだろうか。…………蓮のくせに。
「で、なんで蓮は急に俺らを集めたわけ?」
しょうがないから助け舟、出してあげる。これでも一応先輩だし、後輩のことは可愛がってきたつもりだし。
そうすれば、蓮ははっとしたような顔をしたあと、笑顔で、ついでに大声で、言った。
「親衛隊に仕事が!!! 会長様直々に!!」
蓮が言ったことと、本当に蓮の性格が変わったんだと話し方から漸く実感した俺達4人は多分その時すごい驚いた顔をしていたと思う。
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