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草を踏みしめる音がする
歩いていた
いつから歩いていたかは数えていない
歩いていた
目的はもう忘れてしまった
歩いていた
何所かをめざしていた気もする
歩いていた
追っていた気もするし追われていた気もする
ただ歩いていた
街をすり抜け
河を渡り
森を越えて
山を降り
ひたすら前に進んだ
いつの間にか何処かの草原に彷徨いついていたようだ
潰れた草の匂いがどこか懐かしい
ふっと誰かに呼ばれた気がして後ろを振り返る
あぁ
そうか
あの日も晴れていたな
空を見る
目を閉じる
短く少し息をはく
また歩き出す
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