(四)

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「北東じゃ。鬼が来るっちゅう場所にあん人は埋められたんじゃ」  そう言って北東の方角を指すと、赤い異形の鬼はつむじのような勢いで駆け出した。その勢いに吹き飛ばされた少年は地面に転がってしまう。あわてて顔を上げた時には、もう鬼の姿はなかった。  少年はしばし唖然と、陽光にゆらゆらと揺らぐ草むらを見つめていた。  鬼……?   赤い影など、もうどこにもない。 いや。あれは。  少年の胸が苦しくなる。  あれは、人じゃ。  自分たちと紛う方なし、人じゃ。   *****
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