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図書館から一歩外には、蒸し暑い空気がゆったり流れていました。あつ、と一人小さく呟いて、近くの公園に向かいます。木蔭の温い涼しさが、疲れたときにはほどよいのです。 手提げ袋を降ろして、中から小さなシートと水筒を取り出しました。あとは本を読んだり、音楽を聴いたり。周囲1m四方ほどの世界が、私なりの休日の過ごし方。 最近恋愛小説を読むようになったけれど、あの時のくすぐったさの名前は未だに解りません。さっきのメールでも少し感じたこの感覚は、私にとっての恋なのでしょうか。 よくある漫画の青春のような、そんな気持ちはもう解りません。それでもまあ、もういいかな、なんて、思ったり。 今日も快晴。 春を超えて、真っ青な夏がやって来ました。 (Fin.)
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