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「――ほら」 「ん……。どうしたの?」 「アイス、食うんだろ? 冷たくて、うまい……」 「あ――くくっ! ゴメンね。 もしかして、気を使わせたかな?」 「べつに」 「「…………」」 「――美味しいね」 「ああ」 「おいしい……」 「――あのさっ」 「ゴホッ!! ――コホン!」 「 大丈夫か?」 「……ぅん、だいじょうぶ――。で、なぁに?」 「えっと、もう少しで終わるだろ……夏休み」 「…………うん。 そうだね。 で、それがどうかした?」 「……思い出」 「……思い出?」 「そう、作りたいんだ。おまえと、もっと……」 「――――はい?」 「ダメか?」 「いやいやいや、チョット待って――!?」 「あ、あのさ――」 「えっ、えぇっ!? ななな、なにコレ――ソレって、どう言う……」 「いいか落ち着け? ソレってのは、文字通りの意味だ……」 「……はぃいい――マジですか? ほんっとうに私なんか!」 「――ソレ、似合ってるぞ?」 「…………」 「……アレ?」 「――ッ!? ア、ア、アンタ……バッカじゃないのぉぉ――!? なな、何で、こんなタイミングでそれを言うワケ!?」 「そ、それは、だって――女の子の扱い……おれ、知ら……ないから……さ」 「ハァ…………。ほんと呆れるわ」 「……ごめん」 「もう、分かった! じゃあ、溶けかけてるそのアイス、ササッと食べていくよ?」 「……行くって何処へ?」 「荷物を持つ!」 「あぁ――」 「でも、その代わり――ぜんぶ、キミのオゴリね?」
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