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真実を言おう。
いじめはなくならない。
これは真理である。
それは誰もがわかっていたことだった。
大きな事件が起きた時だけ、遠方からやってきて、形だけの視察をする教育委員会。
全校生徒を講堂に集めて、説教を垂れる校長。
「皆さん仲間を大切にしましょう。自分がされて嫌なことはしてはいけないのです」
(それは、違うね)
三島は、心の中で毒づく。
(自分がされて嫌なことは、他人にやると気分が良いのさ)
自分がいじめられるのは最悪だ。
だが他人がいじめられるのを見るのは、最高の気分だ。
なぜなら、それは自分じゃないから。
その時自分が「安全地帯」にいることを思うと、ほっとするし、優越感を感じる。
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